| お名前 | 高島 洋太 様 | 所属 | ─ | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 意見受取日 | 平成16年2月12日 | 受取方法 | 事前意見 | ||
琵琶湖水位のプラス日数が少なく、逆にマイナスが多すぎます。
(琵琶湖水位±0の意味)
琵琶湖の水位は明治7年から瀬田の唐橋のところの中の島で測られてきました。平成4年から、琵琶湖内の5地点の平均値を用いることとしましたが、当時と±0の高さは変えていません。明治7年当時にどのようにして±0を設定したのかは不明ですが、通常、湖沼や河川の水位の±0は、その場所の一番深い箇所の高さ、或いは、その水位より下回らないような高さを±0として設定します。明治7年当時の瀬田川は川底が非常に浅く、瀬田川の水はけが非常に悪い状態で、ちょっとした降雨でも琵琶湖の水位が上昇し、琵琶湖沿岸は水浸しとなりました。そのため、当時の琵琶湖水位は平均的に+80cm程度あり、マイナスになることは殆ど有りませんでした。±0は常にその水位を維持させるための目標として定められたものではなく、水位を図るための基準として設定されたものです。
(琵琶湖の水位変化の特徴)
その後今日までに、瀬田川の流れを良くするため、幾度か川の底を掘る工事(浚渫による疎通能力の増大)を実施しました。
そのため川底が深くなり、瀬田川の水はけがよくなり、琵琶湖沿岸の浸水被害は格段に軽減され、合わせて、琵琶湖の平均的な水位も徐々に低下してきました。その結果、以前は利用出来なかった湖岸域も、美田として開発が可能となりました。
また、琵琶湖に流入する一級河川は約120本あるのに対し、琵琶湖から流出する河川は瀬田川1本だけです。大きな雨が降ると琵琶湖への流入量が多く、これに対し瀬田川は、明治以降、水はけが格段によくなったものの、依然として流入量に比べ流出量が小さいため、琵琶湖の水位は必然的に上昇し琵琶湖沿岸が浸水することになります。また、一度琵琶湖の水位が上がれば、水位を下げるのに長時間かかります。
例えば、琵琶湖流域に100mmを超えるような雨が降ると、琵琶湖の水位は一気に30cm程度、それ以上の雨が降れば更に40cm、50cmも上昇してしまいます。一方、平成15年度の実績では、瀬田川洗堰を全開しても、瀬田川・宇治川の現況の川幅や深さでは流すことのできる流量が限られているため、概ね4〜7cm/日程度(出水によって異なります)しか琵琶湖水位は低下しませんでした。
(梅雨期・台風期の水位管理)
このため、梅雨期や台風期は予め水位を下げておき(予め下げておく目標の水位を「制限水位」と呼んでいます)、下げたことによって琵琶湖の治水のための容量を確保し、琵琶湖沿岸の浸水被害を軽減することとしています。過去の水位操作においては、夏期の目標水位を±0としておりましたが、平成4年以降は、新たに制定された「瀬田川洗堰操作規則」に基づき、琵琶湖沿岸の浸水被害を軽減するため、予め6月16日以降は-20p、9月1日以降10月15日までは-30pまで下げておくように管理をしています。また、降雨によって琵琶湖の水位が制限水位を超えてしまい、さらにその後、台風の襲来等により大雨が予想される場合は、洗堰を全開するなどして放流量を増やし、速やかに制限水位まで下げるようにしています。
梅雨期や台風期に制限水位まで水位を下げた後に、期待していた降雨がない場合でも、下流の上水、工業用水、かんがいなどの水利用や淀川の水環境を維持するため、洗堰から必要な水を流さなければなりません。従って、6月の空梅雨や夏場の干天等雨が少ない年は、琵琶湖水位は必然的に低下してしまいます。なお、琵琶湖の面積は流域の全体の面積の約1/6もあり、一旦琵琶湖の水位が下がってしまうと、かなりまとまった雨が降らない限り水位回復はなかなか望めないことになります。
(梅雨期・台風期以外の水位管理)
その一方で、水利用の観点からだけ言えば、琵琶湖の水位は出来るだけ高く維持した方が有益です。しかし、高く上げ過ぎると琵琶湖沿岸で浸水被害が発生します。また、冬期には波浪による浜欠けを助長し、ヨシ刈りに影響を与える場合もあります。従って、必要以上に琵琶湖の水位を上げすぎないことも重要であり、10月16日から6月15日までの間は、常時満水位である+30cmを超えているとき、又は超えることが予測されるときは、この水位以下に低下させ、又は上昇を抑制するようにしています。
このように、瀬田川洗堰の操作は、琵琶湖沿岸及び下流の治水・利水・環境の観点から、制限水位や常時満水位という異なる水位で管理をしています。しかし、瀬田川・宇治川の現況の川幅や深さでは、流すことのできる流量が限られていることや、将来の降雨を正確に予測することができないことから、琵琶湖の水位を人為的に完全に管理することができないため、降雨の大小により水位は大きく変動せざるを得ず、琵琶湖の周辺で浸水被害が発生したり、渇水の時には水利用に制限が加わったりすることがあります。
現在、琵琶湖では流域に20箇所の雨量観測所、湖内に5箇所の水位観測所があり、リアルタイムの観測を行っています。これらの観測データから降雨量が解ればどの程度水位が上昇するかは概ね把握することが出来ます。
しかし、琵琶湖の水位変化の特徴と降雨予測の精度から、降雨予測にあわせて予め洗堰操作により水位を下げておくことは、利水・環境上のリスクを伴うため困難です。
(琵琶湖の水位変化の特徴)
琵琶湖流域で大きな雨が降ると、降雨量の増大に伴って流域から琵琶湖への流入量も大きくなります。しかし、琵琶湖から瀬田川を通じて出ていく流出量は、流入量より小さいため、降雨が収まり流入量がピークを過ぎて減少し始めても、琵琶湖の水位は、なお上昇し続けます。一方、流出量は水位の上昇に伴って多くなりますが、その増大量は瀬田川の河道に限界があるため僅かです。そして、水位の上昇が止まりピークを迎えるのは、流入量と流出量が等しくなった時であり、それは流入量のピークから暫く時間がたってからになります。つまり、琵琶湖の水位ピークは降雨のピークを過ぎてから随分後に発生することになります。
大きな雨が降った場合でも琵琶湖の水位を上昇させないためには、常に琵琶湖流入量と同じ量を瀬田川から流出させる必要があり、流入量がピークとなるときでも同じ量だけ瀬田川から流出させるためには、大きな洪水の時などには、下流淀川本川並の川の断面が必要となるようなときもあります。しかし現実は、瀬田川から流すことのできる流量が限られており、大きな雨が降ると琵琶湖の水位はどうしても上昇してしまいます。
(降雨予測と洗堰操作の現状)
一方、現在、琵琶湖では流域に20箇所の雨量観測所、湖内に5箇所の水位観測所があり、リアルタイムの観測を行っています。これらの観測データから降雨量が解ればどの程度水位が上昇するかは概ね把握することが出来ます。では、そのような大きな降雨を気象予報から想定して、事前に琵琶湖の水位を下げておくことが出来ないかということになります。例えば、仮に琵琶湖流域に100mmを超えるような雨が降ると、琵琶湖の水位は一気に30cm程度、それ以上の雨が降れば更に40cm、50cmも上昇してしまいます。このような大雨を想定して、琵琶湖沿岸の浸水被害軽減のために、予め琵琶湖の水位を下げておく(予備放流)方法が考えられます。しかし、平成15年度の実績では瀬田川洗堰を全開しても、琵琶湖の水位は概ね4〜7cm/日程度(出水によって異なります)、しか低下しませんでした。そのため、100mmを超えるような大雨に対する備えとしては、数日前から事前に水位を下げておくことが必要となります。一方、現在の気象予報による降雨予測は、2日先の予測雨量に対して実際の降雨量が大きく上下する場合があります。今後、予測の精度アップが図られることと思いますが、外れた場合の環境面、利水面のリスクを考えると、現在の気象予測の精度では難しいと考えています。

Copyright©2004 瀬田川水辺協議会All Right Reserved